まるであの時のようだ

くりぃむしちゅー上田晋也が、行き当たりばったりで進行するトーク(?)番組。
この番組を見て、私が「松紳」にイマイチハマれなかった理由がよくわかった。
 
松紳」が始まったのはたしか、2000年の10月だったと思う。
その直前の9月まで、フジテレビで「第4学区」という番組があって、
古館伊知郎と石橋貴明が30分間、ただ延々と世間話をするだけという、
シンプルにも程がある内容だったのだが、これが素晴らしく面白い。
アナウンサー出身でトークライブも人気だった喋りのプロである古館と、
珍しく落ち着いた雰囲気で古館と対等に渡り歩く石橋の掛け合いの妙、
そして第三者の介入を極限まで減らした番組方針が効果的に働き、
2期・4クールという短い期間*1ながら、かなりの人気を博した。
 
松紳」には、トーク途中にスタッフから提供されるテーマが多く、
また放送が進むにつれて、構成の倉本氏もトークに絡んでくる事もあって、
純粋に二人のトークを楽しみたいと思っている私としては、実はあまり喜ばしくなかった。
 
今回始まったこの「上田ちゃんネル」は、雰囲気的に上記の二番組の間に位置する番組ではあるが、
その内容は「第4学区」の方向へかなり傾いていると思われる。
テーマらしきものはあるものの、それを使うかどうかは上田次第、全く使わなくてもいい。
実際、テーマを手にしてトークを始めたものの、いつの間にかそれをほっぽり出して、
すっかり別の話題にシフトしていっているのがはっきりとわかる。
ゲスト制で、第1回は上田と長い付き合いであるノーボトムの古坂大魔王だったが、
CM無しで55分間…それでも編集は入るので現場ではもっと長いと思うが、
カメラを意識せずに絶えず喋り続けた二人の姿は、あの時の古館・石橋を髣髴とさせ、
あの頃の懐かしい思い出、そしてあの雰囲気が久々に堪能できた。
 
CSだからこそだろうが、ボリュームは相当なものがある。
単純に、上記の番組よりも尺が長いからというのもあるかもしれないが、
殆ど何も手を加えずに、最低限の編集だけで見せているからなのかもしれない。
 
上田、恐るべし。

*1:第1期は1999年4月から半年間。そこから更に半年空けて、2000年4月から第2期が始まった。